箱庭療法

道具を使って作品をつくる

箱庭療法は子どもから高齢者までを対象とした心の深層心理学を応用した心理療法です。 遊戯療法は特に子供を対象とする場合は子供自身の遊びの世界や想像を「こころ」の表現として作品にします。
現代のあまりにも合理的な社会のあり方と物質的な環境は、子どもにとって無邪気に遊ぶ想像力の世界(おとぎ話・幻想)を阻止してしまっています。 やがて次第に想像力や創造性から遠ざかり、毎日の同じ生活の繰り返しの中に、自分の本当の「こころ」を見失って、暴力となり、非行やいじめ、自閉となり、疎外となって、不健康な人格をつくりだしてしまいます。
毎朝の眠りから目覚める時に意識が次第にはっきりしてくるように、深層の無意識の領域から泉のように湧き上がる「こころ」の作品をつくります。 私達はここに表現されている作品から不思議な象徴の世界に感動します。

箱庭療法事例よりクライアント:小学6 年生作品『ボクのお家』

小さいお家だけど、お父さんとお母さんと女の子と男の子が暮らしている。「とても仲の良い家族なんだ」

お家の外は花や畑、緑の樹が。池にはカエルやカメが住んでいて犬や猫が楽しく話し合っている。

理想の家族イメージをもつ

ある日、家の外は台風がきたみたいに大荒れになっている。
「お父さんもお母さんもびっくりした」

生き物が土の中に埋もれている。
一匹のカエルが言った「ここの家の屋根の上に不幸を招く悪霊神がいる!」

不安

ある日、お父さんが屋根の上を見ると大きな黒い化け物(恐ろしい般若顔のような)を発見。 「びっくりしたんだ」

攻撃

「なぜ?悪霊神が」

不幸を招く化け物を追い出すために男の子と女の子はうさぎやネズミ達に相談した。カエルやトカゲも仲間に入った。みんなで話し合った。

当惑との闘い

「お父さんやお母さん、みんなで悪霊神を追い出すよう祈っていたんだ」
カエルとトカゲは「悪霊神は遠い国の島へ消えて行ったよ」と告げた。

「庭の生き物がいつものように楽しく話してるんだ。お父さんやお母さんも又、いつものように手をつないで散歩にでかけたんだ」

願望と安定

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